この会議は、優れた景観の保全と創造を図るため、平成5年に設立されました。
●地域活動の部
最優秀賞 「 雲月山活性化委員会 」
所在地:北広島町
特 色:牛の放牧地として利用するため,江戸時代末期から山焼きが慣習となっていたが,高齢化による働き手不足などの問題で,いつからかこの慣習が途絶え,見晴らしの良い牧草地はなくなってしまった。しかし,もう一度山焼きを復活させようと2004年に地元の有志が集まり,活動が再開した。ワレモコウ・マツムシソウなど他ではほとんど見ることができなくなってしまった希少な植物もこの山では見ることができる。
●地域活動の部
優秀賞 「 殿賀水仙の里づくり委員会 」
所在地:安芸太田町
特 色:殿賀地域181戸の全戸が参画し,旧殿賀駅舎周辺・鉄道敷き法面など約2ha,総延長1.3kmに水仙約8万本を植栽し管理マニュアルにより年間7回の基幹作業,栽培講習会などを行い,美しく元気のある水仙が地域内どこでも見られるように栽培管理を行っている。
●地域活動の部
優秀賞 「 ハチの干潟調査隊 」
所在地:竹原市
特 色:ハチの干潟を手つかずのままの自然の姿で未来へと受け継いでいくため,全国的にも稀に見る豊かな生態系を育んできた干潟の大切さを発信するため,干潟観察会や生物調査の継続,海岸のゴミの回収などを行い,干潟の保全に取り組んでいる。
●地域活動の部
特別賞 「 尾道空き家再生プロジェクト 」
所在地:尾道市
特 色:古い町並みの保存やそこに暮らす次世代コミュニティ−を確立するとともに,尾道の建造物や景観の素晴らしさを再発見し,市民が誇る尾道の顔を未来の子どもたちにも残していくため,尾道の顔ともいえる斜面地の空き家を買い取り,その再生に取り組んでいる。
●ふるさと景観写真の部
最優秀賞 「 大樹 」
撮影場所:庄原市川北町
撮 影 者:荒川勇二さん(広島市)
コメント:三方を山で囲まれた田園の中に柿の大木が1本立っている。樹齢が5百年と云われ,この大木の下には,稲神の祠が祭られ,根元には,一体の石仏が置かれている。地元の人達により大事に守られてきた景観であり,今後も永く残していきたい風景。
●ふるさと景観写真の部
優秀賞 「 竹原市の重要伝統的建造物群保存地区 」
撮影場所:竹原市竹原町
撮 影 者:谷水 毅さん(竹原市)
コメント:竹原の町並みに久しぶりに雪が積もり,西方寺の 石段で戯れる姉と弟が睦まじく微笑ましい。
●ふるさと景観写真の部
優秀賞 「 山里の春 」
撮影場所:庄原市東城町
撮影者:新宅 哲雄さん(江田島市)
コメント:桜の咲く頃は, 観光客やカメラマンで賑わいをみせますが,夕方にもなるとやっと元の静けさに戻り,そこに おばあさんが孫たちと散歩に来られ,山里の静けさを感じさせられた1枚です。
第15回景観づくり大賞「地域活動の部」審査講評
地域活動の部で最優秀賞の「雲月山活性化委員会」は,山焼きを景観ととらえ,これを行うことで,景観に加え,伝統と生物多様性を保全しているという組織的な活動が評価され,見事,最優秀賞の栄誉に輝いた。
優秀賞の「殿賀水仙の里づくり委員会」は,全世帯が参加し,JR廃止というマイナス面をプラスに変え,鉄道敷法面等に水仙の植栽を行っている活動が評価された。同じく優秀賞の「ハチの干潟調査隊」については,自然や生物の保全に有効につながっており,多団体との連携・普及啓発活動が活発に行われている点が評価されての受賞となった。
また,特別賞の「尾道空き家再生プロジェクト」は,空き家に価値を見いだし保全していくというユニークな点が評価されての受賞となった。
今回の募集に18団体と多数の応募をいただいたことに喜びを感じている。また,ふるさと景観写真の部にも多くの作品をお寄せいただくことができた。応募者はもとより,審査員をはじめとする多くの関係者に感謝の気持ちを表したい。
審査委員長 竹原市長 小坂政司
応募総数: 「地域活動の部」・・・・・・・18団体
「ふるさと景観写真の部」・・・123点
応募期間: 平成19年10月1日〜平成20年1月15日